セロテープのジレンマ〜工作を通して何を学ぶか?
こどもたちが自由に創造力を発揮できる場として、工作はとても魅力的です。紙や糸、木材やペイントなど、さまざまな材料を使って何かを作るというプロセスは、こどもたちの成長に大きく寄与します。
小学校低学年以下のこどもたちとの工作で神器となるのは「はさみ」「色えんぴつ」「セロテープ」です。
中でもこどもたちの自由な創造を阻みがちなのが「セロテープ」。
透明で目立たないし、ぱっと切って貼るだけで簡単にくっつく!とてつもない便利グッズです。
ところが
「セロテープ」は粘着力が弱くて自由なアイデアを形にすることができないが場合がありまして、
ちょっとアクロバットな形にしようものなら、ぱかっと落っこちちゃいます。
何度も何度も貼り直してもぱかっと落っこちます。
そのときに8割の子は「まあこれでいいや」とあきらめ、
1割の子は泣き、
1割の子はどうしたらいいか試行錯誤します。(体感です)
脳内イメージが爆発してて、それに少しでも近づけようと頑張っているだけに
作品があっという間に崩壊してしまう悲しみには共感しかありません。
これを学びにできたらどんなに面白いだろうといつも思います。
テープの種類と歴史を調べる自由研究面白いよと子どもに投げかけても、全く興味がないようです。
諦めない子は立派な才能です。泣く子もくやしい思いが強いのでその後頑張れることが多いです。
うまくいかなかったり、泣かれてしまうと、ついつい助けてあげたくなりますが、ギリギリまで見守ってみます。
どのタイミングでアドバイスするかは人それぞれかと思いますが、私の場合は「こどもからアドバイスを求められた時」にするようにしています。
なぜなら試行錯誤する時間には学びが多いからです。
問題解決力の向上
セロテープが思うように機能しないとき、こどもたちはどうしたらうまく貼れるのかを考える必要があります。この過程で、「どうすればよいか」を考え、試行錯誤することで問題解決力が養われます。たとえば、テープを重ねて使う、テープの種類を変える、様々な解決策を試していくことで、柔軟な発想力を育てることができます。
「えーなんでくっつかないんだろう?他のテープも試してみる?」と言いながらクラフトや布、ビニールなどいろんなテープを試してみるイメージ。
忍耐力と学びの姿勢
工作がうまくいかないことで、こどもたちは忍耐力を学ぶ機会を得ます。うまくいかない経験を重ねることで、失敗を乗り越える力を身につけることができます。このような経験は、こどもたちが将来、様々な困難に立ち向かう際の大きな力となります。
これは自力でできる子とできない子がいるので、できない時は上の例のように大人が問いかけて進めます
セロテープを使った工作は、一見単純に思えるかもしれませんが、こどもたちにとって大きな学びの場となります。「楽しいはずの工作なのにどうしてこんなのしかできないの?」と初参加の保護者に怒られることも多いです。でもこどもDIY部の会員になってくださる方に、自由に作ることの難しさやそこからの学びをお伝えして理解していただいているからこそ、細々と続けられています。
この夏の工作でこんな場面があるかもしれません。うまくいかない時に、大人が手を出さず見守るときっと学びがありますよ。試してみてくださいね。
今年の夏もじゆう工作でシェア工房のご利用ができます
平日(木)(金)は9:00~16:00
休日は時間は不定期です。詳細はリンクからご覧いただけます。
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