生きるチカラを育もう。森と海の工房「こねくり冒険ラボ」を作った理由

「うちの子はこのままで大丈夫なんだろうか?」
と誰もが一度は思ったことがあるんじゃないでしょうか?
こどもの生きる力を育てたい!という思いで、これまでバラバラに活動してきた野外プログラムをいいとこ取りして、この度「こねくり冒険ラボ」をスタートさせることにしました。
こどもDIY部が考える「こんな場にしたい!」というポイントは以下の6つ。
ルールは自分で作ることができる
失敗を恐れずやってみる
欲しいものは自分でDIY
自然への畏怖と感謝を体験する
家族や先生以外の大人と話す
こどものチカラを信じて待つ大人の存在
まあ、難しく考えず、ワハハー!と遊びながらこどもを育んでいきたいです。
1〜5はこどもに体験して欲しいこと。6は見守る大人と一緒に考えたいこと。ここでは特に6について説明していきます。
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私自身がコロナ下で思春期の子育て経験して思い知りました。
ホルモンバランスの乱れも相まって、
「他の子に比べて自分は○○できない」
「失敗したら意地悪された」
「どうせお前にはできないって言われた」
「どうせ上手にできないからやらない」
etc,etc...と家で落ち込み泣きわめく日々。
さらにコロナで卒業式や入学式、修学旅行も開催されず、かわいそうだからと家族や親戚にチヤホヤされて育ってしまった。
そして外でちょっとした荒波に出会うと、ぽっきり心が折れて家に引きこもる。楽しませてくれない、ケアしてくれない大人や周りの人が悪者になる。
それはきっとコロナのせい。
その年齢で本来経験すべきことが経験できなかった。
でも同じことを繰り返したら意味ないし、過干渉にはなりたくないから、落ち込んだときに子どもが自分で立ち上がる手助けするくらいに留めたい。
「だからこどものチカラを信じて待つ大人になりたい」
グッと耐えて待つために必要なのは、その子にどんなチカラが潜んでいるかを知ったらいいんじゃないか?(逆にどこを助けたらいいかもわかるハズ)
じゃあどうやったらその子自身も知らない、その子の持っているチカラを深く知ることができるだろう?
できれば思春期突入前に。
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そのために必要な要素として以下の3点の仮説を立ててみました。
「その子にハマる役割を知る」
「没頭できたことは何か」
「好きな時に別の環境に移動できる」
1.その子にハマる役割を知る
こどもDIY部では2015年から「大人立ち入り禁止・こどものまちをつくろう」というイベントを年に1回開催しており、2023年は延1000人をこえる子どもたちが遊びに来てくれました。
朝日新聞に掲載いただいた「強盗用銀行、作ったよ!」 豊島区に登場した「こどものまち」がわかりやすいので読んでみてください。高校の文化祭みたいな雰囲気です、というと楽しさに共感してもらえるかな。
このイベントは何をやっているかというと「自分一人では作れない大きなもの(こどものまち)を、役割をもってクリエイトしていくこと」に尽きます。
ここで「銀行員として街の人に給料を渡す」という役割を気に入る子もいれば、「大工として高い塔を作る」ということに熱中する子もいます。
「大工として高い塔を作る」ことのクリエイティビティは理解しやすいと思いますが、「銀行員として街の人に給料を渡す」にクリエイティビティはあるのか?はわかりにくいですが、ちゃんとあります。
例えば銀行のお金がなくなると給料が払えなくなるので、どうやってお金を集めるかを考えなくてはいけないし、会社から税金を集める仕事では、どうやったら税金を払ってもらえるかも考えないといけません。
「こねくり冒険ラボ」でも、アイデア出す人、アイデアを実践する人、DIYする人、小さい子の面倒を見る子、畑仕事をする子、料理をする子、みんなを遊びに誘う子、働かないで遊んでばかりの子などなど、いろんな役割の子が必要です。役割を担いながら「何をしている時が楽しかったか?」を振り返って、次のターンではさらにそれを深掘りしていく循環を作ります。

2.没頭できたことは何か
何かの役割を担ううちに、食事も忘れて没頭できたらそれはその子にハマる没頭体験になり、そこにその子の才能が隠れている可能性があります。
例えば「ひたすら木を切る」だけでいいし、「ひたすら熾火をキープする」で良いです。没頭できたものが何だったのかを貯金のように貯めていくと自信を持てることがちょっとづつ増えていきます。
3.好きな時に別の環境に移動できることの重要性
没頭とは逆にやってみらたらつまらないな、という場合にはさっさと別の役割に移動できる環境が大事になってきます。
上記のこどものまちに視察にきた大人からよく質問を受けるのが
「リーダーの子(店長さんみたいな役割)が好きな時に仕事を辞めるなんて許していいんですか?」です。
その時は「はい、遊びだからいいんです」と答えています。
やりたくないのに責任を持ってやらせることよりも、その子が何をしていたら楽しいのかを重視している事業なのでそれでいいんです。
無意味な責任を持たせるよりも、没頭できる何かが見つかる方が、この時期のこどもにはよっぽど大事。
なぜなら、今後の人生で簡単に辞められない時や判断に迷うときが必ずくるからです。その時に「そういえば僕は○○ができるって褒めてもらったな」と思い出して心の支えにして欲しいのです。

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でもこれもまだまだ仮説なので、参加してくださるファミリーと一緒に検証してみたいです。企画内容が白紙の日程も多いので、みんなと話してやってみよ〜!って軽いノリで埋めていきたいです。
「うちの子はこのままで大丈夫なんだろうか?」
と不安を抱えているお父さん、お母さんへ。
今の環境でその子の能力が見えないだけで、今まで経験したことのないことにトライすると新しい顔が見えるかもしれません。
10/29から始まる森の工房にぜひ遊びに来てください。
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