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自由って放任?迷ったときに考えたい子育ての軸

こどもDIY部に初めて来る人は100%「楽しそう!」と思って参加してくれます。

ところが、自由に工作することが実は苦しいことだとあとで知る子が後をたちません。


自由に何かを選ぶには、「情報収集→選択→決定→挑戦→失敗or成功」という複雑なプロセスが必要です。これは脳のワーキングメモリや注意資源を大量に使うため、心理的負荷がかかります。そのため子どもが「なんでも好きに作っていいよ」と言われると、実は不安や戸惑いで固まってしまうことが往々にしてあります。


心理学者ロイ・バウマイスター(Baumeister et al., 1998)は、人間が意思決定を繰り返すほど精神的エネルギーが消耗し、注意力や自己制御力が低下する「決定疲れ(Decision Fatigue)」を報告しました。

また、2021年の研究(Schulz et al., Nature Communications)では、自分で意思決定をするとき、脳の前頭前野や線条体といった領域が活発に働く一方、他者の指示に従う場合は、これらの活動が顕著に低下することが明らかになりました。

つまり、「指示されたことをやるほうが、脳は楽」なのです。



自分で選択できるようになる瞬間

4歳からこどもDIY部に参加していた男の子。小さいうちは自由に好きなことをしていましたが、小学生になり周りの目を気にするようになると、自分は何をやっても下手くそだ、と思い手が動かなくなりました。面倒くさいと言って何もしようとしませんでした。

彼は何ヶ月もぼんやりと時間を過ごしていました。

ある日算数の授業で習った展開図から、工作用紙を使って立体を組み立てることに夢中になっていきました。

気づけば、他の子どもたちよりも空間の感覚に優れ、複雑な形を正確に立ち上げることができる自分に気づいたのです。

そこからは一変。彼は建物や街並みの模型を丁寧に作るようになり、今では「小さな建築家」と呼ばれるほど、複雑で細かい作品を生み出しています。


この男の子は「工作用紙」を毎回使うように、工作への熱意が冷めない子には「自分のテーマ」があります。

「電車の改造」「戦艦」「ドラゴン」「かわいいアクセサリー」等のように、同じテーマを探究し続ける子はどんどん上達していきます。

何を作るか?では迷う労力をなくし、「前回より良くする」ということにだけ注目しています。

これは、自己決定をなるべく少なくしていることを自然に身につけているのです。

スティーブ・ジョブズが同じ服しか着ないのと同じ理屈です。



こどもの自由な成長は時間がかかる

自由には迷いも、葛藤も、時には涙もつきものです。でも、その負荷こそが脳の発達に必要な“肥料”になると思います。ドイツの神経科学者ヘンリク・ヴァルフ(Henrik Walter)はこう述べています:

“自己決定による行動は、報酬系をより強く刺激し、学習と動機づけを深める。”

結局自由は辛いことの連続ですが、成功すると報酬系が刺激されるので「自由=楽しい」と思えるようになると自由でいることがそれほど苦痛ではなくなっていくわけです。


自由に悩んだ末に、自分の「好き」や「得意」に出会ったとき、子どもは大きく飛躍します。だからこそ、私たちは「自由だけど放任ではない」環境をつくり、そっと背中を押しながら見守っています。


自由でもいいところ、自由ではダメなところ、子育てには両面が必要で、その境界線をしっかり持っておくことが子育ての大事な軸になっていきます。特にこどもが思春期に突入したときに、その指針がないと親の気持ちがゆらいでしまいます。


こどもが小さいうちに自由な環境に身をおいてみて、親は線引きを見つけるべくトレーニングをしてみてください。

東京都新宿区西落合にある「こどもDIY部 シェア工房」は、子どもだけで参加できる“自由な創作の場”です。木工、スライム、レジン、電子工作、裁縫、絵の具、そしてプログラミングやレーザーカッターなどのデジタルものづくりまで、あらゆるジャンルの創作が可能。新宿区で「こどもDIY教室」や「デジタル工作教室」をお探しの方にぴったりの場所です。


子ども主体の“自由創造”空間

こどもDIY部は、子ども自身が「何を作りたいか」を自由に決め、道具や素材を自ら選び、制作に取り組める環境を提供しています。スタッフは「教える」のではなく、子どもの創造力を引き出すファシリテーターとして関わります。自由工作、創造力育成、子どもの習い事といった観点からも、他にはないユニークな教室です。


保護者立ち入り禁止=子どもだけの集中空間

一般的なキッズ工作教室とは異なり、こどもDIY部では保護者の見学を原則禁止。子どもだけの空間だからこそ、自分で決め、自分で作り、自分で片づけるという体験が得られます。この構造は、自立心や集中力、責任感を育む絶好の機会です。


デジタルとアナログが融合した“本格工作環境”

こどもDIY部の大きな魅力は、アナログだけでなくデジタルな創作にも挑戦できること。木工用のこぎりやドリルに加え、レーザーカッター、ガーメントプリンター、電子パーツ、iPadを活用したデザイン制作など、設備は本格的。たとえば、描いたイラストをレーザー加工してアクリルスタンドを制作したりできます。

さらに10月から「プログラミング 工作」クラスを開講しようと準備中です。


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