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心をギュッとつかむ強い気持ち。

本当は10坪のアトリエを飛び出して広い場所でのびのび創作したいのですが、都心部では難しい。

活動を始めた頃に子どもの声がうるさい・危ないというクレームがたくさん来たことを思い出しても、都会でできることの限界がある。

そんな悶々とした気持ちの中巡り合った救世主!

千葉の佐倉いあるフィールドをお借りして「ヒミツキチをつくろう」という野外活動を6年ほど不定期でやっています。


ライブ・予定調和なし・完成しなくて上等!の精神でできるだけ大人が事前に準備をせず、毎回現場に乗り込みます。

知識も経験もない子ども達は当然途方に暮れて、焚火や他の遊びをしつつなんとなく過ごしたりする。それではプログラムに参加してる意味がない、という考えはここではなし。

こういうフリースタイルが楽しいのは、時々びっくりするようなことが起きることであります。

***



2020年夏からスタートした第2期の中でも思い出に残っているのがこの場所。「3枚目の床」と呼んでいます。

事の始まりは、初参加の中学生の男の子が何やら木材を4本キープして格闘していたので話を聞いてみると

「前にテレビで見たのをやりたくて」

詳しく聞いてみるとどうやらそれは「相欠き」という組手をやりたいということでした。

通常欠き込みを作るためにノコギリとノミを使います。

しかしこの現場にはノコギリはあるけどノミがない!

さてどうしよう・・・?

みんなでウンウンと頭を悩ませてノミの代わりに「ドリルでたくさん穴をあける」ことにしました。ノミのように底を平らにすることはできませんが、欠き込みの形を作ることはできそうだ!




2.5mmのドリルビットを使って、隙間なく慎重に穴あけ作業をしていきます。2日間かけて8か所の欠き込みを作り終え、いざ組み立て。





補強のビスを入れたりしながらなんとか枠組みを完成!!

すごい!こんなことできるんだ~!と大人もこどもも大興奮したんです。

ところがですね・・・

この相欠きを作っている最中に、準備していた木材はほぼなくなってしまい、表面に貼る床の材料がない。

「どうする?床なしにする?」

「でもせっかくここまで頑張ったのに」

周りのこども達も「この枠を何とか生かしたい!」とアイデアを考えます。まず端材を使って脚を作り地面に埋め、枠を設置した後、使えそうな板を探してカットし、枠のコーナー部分にとめていきます。









気が付けばテーブルまで完成していてビックリ!

こども達が立っている、高いところにある2枚の床に続く「3枚目の床(になりそこねたベンチとテーブル)」が完成しました。

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こうして振返ってみると「ないないづくし」の中から生まれた場所ですね。道具も材料も足りなかったけど、「相欠きをやりたい!」という彼の思いにみんなが引っ張られる形で進んでいきました。

「強い気持ち 強い愛 心をギュッとつなぐ」 (by小沢健二)なシーンが生まれ、他の子に感染していく空気ができていく。

そうすると完成したときに達成感と一体感で参加してる子が満たされていくように思います。

***

こんなシーンを生み続けたいと、これまでイベント的に開催していた「こどもケンチクプロジェクト」を、2021年春からオンラインで講座化すべく企画をしているところです。




ヒミツキチ建設で構造的な部分は大人スタッフが見てきましたが、子どもたちが構造を理解し、さらに作れるようになること。その他にも環境やまちづくりまでフォーカスしていきたいなと考えています。

今からとても楽しみです。

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